「銀座スイス」は、銀座3丁目のガス灯通り沿い。同じ老舗洋食屋「煉瓦亭」の並び、数件隣に位置する。
昭和22年の創業時から伝統のレシピで洋食を提供する老舗洋食屋だ。
創業者の岡田進之助氏
創業者である岡田進之助氏は、幼少の頃より東京・麹町の『宝亭』(空襲により焼失)にて子飼いとして教養されていたそうだ。首相官邸や国会記者クラブにて総料理長をつとめ、歴代首相の東條英機から吉田茂まで料理を提供するほか、『天皇の料理番』として著名な秋山徳蔵氏ー宮内省大膳職主厨司長(総料理長)とともに日本の西洋料理の礎を創ったすごいかたなのです。
岡田進之助氏は日本敗戦後、当時は高価であった西洋料理を「より多くの方に食してもらいたい」という理念のもと、1947(昭和22)年に『グリルスイス』を銀座7丁目で誕生させた。その後2度の移転を経て現在は銀座3丁目にお店を構えている。
座席数は22席。こじんまりとしたお店。店内は昭和の雰囲気が漂いなんとなく時間がゆっくり流れているように思える。居心地の良いお店だ。
メニューの一部。このほかにも期間限定メニューや飲み物のメニューなどもある。
ランチにはポタージュスープがついてくる。
「千葉さんのカツレツカレー」をオーダー。本商品にはこんなエピソードがある。巨人軍のユニフォームは『銀座テーラー』にて作っていたそうだ。そこでここ「銀座スイス」に立ち寄る機会も多かった。
とある巨人・阪神戦の前にお腹がすいて「銀座スイス」に立ち寄った千葉茂氏が沢山食べたい...と思いつき「カレーライスにカツレツを乗っけてくれ!」と言ったのだそうだ。現在ではカレーにトッピングすること自体は普通だが、当時カレーライスに何かを乗せるという発想は無かったのだそうだ。
千葉茂氏はカレーライスとカツレツが大好物で、勝負に勝つ(カツ)と言う、験(げん)を担いで試合前によく食べられていたのだとか。そんなエピソードから「銀座スイス」のメニューに正式に加えられ人気メニューなり、それが徐々に全国的に広がっていったのだそうだ。
ライスもカレーが実にうまい。カリカリの衣にジューシーな肉。実にバランスの良いカツカレー。戦後の日本を支えてきた伝統の味わいをしっかり堪能。
続いて銀座牛カツサンド。「グリルスイス」の旗がピクルスに刺さっている。
銀座牛カツサンド。牛ロースカツを使用した贅沢なサンド。牛ロースカツとキャベツをトーストしたパンに挟んでいる。ロースかつの甘めのソースとパンに塗ったマスタードバターの味わいがたまらない。肉もやわらかく食べごたえもありクセになるおいしさ!
●銀座スイス
電話番号:03-3563-3206
住所:東京都中央区銀座3-5-16
営業時間:
(月~土)11:00~20:30(L.O.)
(日・祝)10:30~20:30(L.O.)
定休日:不定休