東京・有楽町駅前のシンボル「東京交通会館」。1965年(昭和40年)のビル開業当時から歴史をともにしてきた老舗の純喫茶を紹介しよう。
サラリーマンの街、有楽町駅前にある東京交通会館の地下1階に佇む「喫茶 ローヤル」。同ビルの地下飲食街はサラリーマンを対象としている店舗がほとんどなので週末はひっそりしている。しかし「ローヤル」は正月以外は日曜日も営業。いつでもウェルカムなお店なのだ。
お店に入る前からこの存在感。華やかでレトロなデザインの中にも気品が漂う純喫茶だ。
店外におすすめメニューが掲示されているので入店前にチェック。
昭和にタイムスリップ
お店にひとあし踏み入れると、そこには昭和の風景が広がる。ステンドグラスがやさしい光を放ち、昭和の空間を演出。BGMとして歌謡曲が流れ、まるで昭和の喫茶にタイムスリップしたような気分が味わえる。店の内装は先代社長の趣味。昭和喫茶ならではの高級感と落ち着いた雰囲気を大事にしており喫茶オープン以来、店内のインテリアは一度も改装せず当時のままだそうだ。
店内を見渡すと店を使い慣れていそうな客ばかり。
メニューを開くと純喫茶ならではのメニューが並ぶ。有楽町駅前の好立地の店舗でありながら良心的な値段。
カレーライスやトーストメニューも。ビシッとした身だしなみのシニア男性がオーダーを聞いてくれる。
ドリンクメニューはとにかく豊富。
1960年代から変わらぬレトロな空間
なんともいえない昭和の雰囲気。席数は95席あり、ゆったりと寛げる空間だ。まるで数十年前の光景を目の前で見ているようで興奮してしまう。もう食事をする前からお腹がいっぱい!
メニューを注文するとランチセットのサラダが運ばれてくる。うーん、サラダも懐かしい。
こちらはピラフメニューから「ジャンバラヤ(ドリンク付850円)」。ピリ辛でシンプルなビジュアルだ。
濃いめの味付けで純喫茶店ならではの味。
ケチャップ味のナポリタン
昭和の喫茶店に欠かせないメニューがこちら!「ナポリタン(ドリンク付850円)」。玉ねぎやソーセージを使ったシンプルなナポリタン。ケチャップの風味が強い昔ながらのナポリタンだ。さらに "空間調味料" が効いてよりおいしく感じてしまう。お店の雰囲気は大事。
食後にはホットの紅茶。生スライスレモンが付いてくる。そのほか「ハニートースト」や「メロンソーダ」など昔から変わらない定番メニューも人気。
愛煙家にもやさしい
つい最近までローヤルは喫煙可能店として愛煙家たちのくつろぎの場として利用されていたが現在はこの通り。店の片隅に喫煙専用スペースが設けられており愛煙家はここで「食後の一服」を決めることができる。
交通会館にはパスポートセンターがあるので、旅券申請&更新の待ち時間にコーヒーを一杯飲みにくるのもよし。目まぐるしく変化する時代の中、今でも「喫茶 ローヤル」に足繫く通う常連客たちは、きっと "変わらないもの" に対する安心感を求めて集まっているのだろう。たまにはSNSの世界から抜け出して昭和の時代にタイムスリップしてみるのもいいだろう。
住所 |
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 |
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TEL | 03-3214-9043 |
営業 時間 |
平日8:00~19:30(L.O19:00) 土日11:00~18:30(L.O18:00) |
定休日 | 正月 |
駐車場 | 無 |