高級寿司店の代名詞。江戸前寿司の盟主として確固たる地位を築いている老舗寿司店「銀座久兵衛」でランチ。
銀座久兵衛の創業は1935年(昭和10年)。同店の初代すし職人・今田壽治氏が“日本のセメント王”と呼ばれた浅野セメント社長、浅野総一郎氏に見いだされ、銀座で開業した。陶芸家であり食通としても名高い北大路魯山人(ろさんじん)をはじめ、志賀直哉、吉田茂など文化人、政財界の食通たちが足繁く通い、愛されてきた名店中の名店だ。近年では米国のバラク・オバマ前大統領も訪れたことでも話題になった。
場所は銀座8丁目金春通り沿いにある。銀座駅からは徒歩約3分程度、新橋駅からは徒歩約5分程度。今回通されたのは本店の斜向かいに位置する別館(新館)。地下1階・地上5階建てのキレイな建物だ。
今回は予約をしてランチで訪問したがランチタイムは予約なしでも入店可。鮨懐石の「魯山人」をオーダー。突き出し・刺身・焼物・椀・にぎり・デザートという構成で3万円程度。
カウンター席は寿司職人さんの伝統に裏付けられた丁寧な技を目の前で見学できるのが醍醐味だ。掘り炬燵スタイルも嬉しい。
突き出しの煮こごりからのコース懐石がスタート。
鮨懐石コース「魯山人」では、特注の「魯山人の器」とともに江戸前寿司が味わえる。
お次は刺身。ヒラスはコリコリした歯ごたえ。(ヒラスとはヒラマサと言うアジ科の魚。西日本での呼び方)。脂がほどよく乗っていて淡白。たまらなくうまい。
刺身の2品目は、ほどよく脂が乗った中とろ。
わさび醤油でいただく。マグロのおいしさを思い切り堪能。
刺身3品目は車海老。まだ生きている車海老を目の前で、頭をとり皮を剥き丁寧に捌いてくれる。これぞ職人技だ。そのまま「生」で食べるか、「ボイル」して食べるかを選ぶことができる。今回は半分を「生」で、もう半分を「ボイル」してもらうことに。
ぐるりと団子状に巻かれた車海老の刺身。捌きたての新鮮な車海老は甘みがあり、まだ身がピクピクと動いている。
塩とわさびでいただく。ほどよい弾力で何とも上品な味!塩で食べると海老本来の風味&旨味が存分に楽しめる。
真っ赤に茹であがった車海老。ボイルすることで、さらに甘味が増している。ああ...両方食べられてよかった。
少し醤油をつけていただく。車海老特有の旨味と食感。たまらない!
煮はまぐりが登場。塩または醤油でいただく。身が肉厚でぷりぷり!
食べごたえのある身はもちろん、貝殻に溜まった貝のだし汁が、これまたうまい。
アワビの刺身。
氷が敷かれて身が締まったアワビはコリコリの食感!磯の香りが口の中にふわり。
こちらは、かわいいミニどんぶり茶碗。中身は・・・
茶碗蒸し!!!
ぷるんとやわらかい茶碗蒸しは、具もたっぷり!上品でやさしい味だ。
たけのこと大根の煮つけ。
お次は焼き魚。のどぐろの焼き物だ。若竹が添えられている。
脂が乗っていてめちゃくちゃうまい。今まで食べたのどぐろの中で断トツナンバーワン!度肝を抜かれるおいしさだ。
カリッと香ばしい皮と、脂が乗った身のバランスがたまらない。調理はもちろん食材選びにも妥協を許さない久兵衛だからこそのクオリティなのだろう。いくらでも食べられるおいしさ。
ここで箸休め。先ほど刺身&ボイルで食べた車海老の頭と尻尾の部分をカリカリに揚げて出してくれる。香ばしくて深みのある味は、本格えびせん。クセになるおいしさだ!(やめられない止まらない)
握りのトップバッターは「本鮪の中とろ」。煮切りが塗ってあるので醤油などはつけずにそのまま食べられる。口の中に入れた瞬間スッと溶け、脂の乗った鮪の旨みがふわりと広がる。赤酢をつかったシャリが口の中でほどけ、鮪と一体になる。めちゃくちゃうまい。握り一品目でシャリの分量を聞いてくれる。少な目、多めなど胃袋と相談して決めよう。
お次は、さわらの昆布締め。シャリは、お米本来の甘さを生かし砂糖は使っていない。
塩でいただくアオリイカ。隠し味としてすだちが絞ってあるので後味さっぱり!
久兵衛が発祥といわれる雲丹軍艦。当時、お客の要望から握りには適さないイクラを軍艦巻スタイルで提供(雲丹も同様に)することで江戸前寿司に変革をもたらした一品。鮮度と温度管理を徹底した雲丹は驚くほど甘く、えぐみもまったくない。そして何といっても口どけが超絶クリーミー。青森県産丸幸小西商店の雲丹を使用している。雲丹が苦手な人のデビューに最適だ。
高級食材とされる「ミル貝」。ミル貝特有の甘味と歯ごたえのある食感は貝好きにはたまらない。
鯵の握り。
漬けマグロ。待ってました!
煮きり醤油に程よく漬けこんだ漬けマグロのおいしさは格別。刺身にはないおいしさが楽しめます。
2種類のあなご。塩とタレで味わうことができます。甘いタレを塗ったあなごはおなじみの味。そして、あなごの旨みを前面に打ち出した塩あなご。身がふっくらとしていて、どちらも文句なしのおいしさ。
お吸い物も料亭並みのクオリティ。
お次は、巻き物4種。かんぴょう、たくわん、ネギトロ、かっぱ。職人さんがカウンター前で「巻きす」を使い丁寧に巻いてくれるので、よりおいしさを実感できる。
たくわんのべったら漬けは、巻き物との相性も抜群。ガリもすべて店で手づくりだ。
最後は「玉(玉子焼き)」。握りか、そのまま(玉のみ)かを選択できる。お腹も十分満たされていたので、そのままいただく。きめ細かく、しっとりとした食感。ほんのり甘味があり、まるでプリンのような味わいだ。
〆は、高級フルーツの代名詞「メロン」。甘く熟した果肉は濃厚な味わいで後味さっぱり!高級寿司のデザートにふさわしい一品だ。
銀座久兵衛の寿司と聞くと"超高級"というイメージだが、実際は1万円くらいからランチが楽しめる。また、すし職人さんがネタについてのうんちくや料理についても詳しく教えてくれるので会話を楽しむのも。ホスピタリティの高さだけではなくフレンドリーに接してくれて気楽にお寿司が食べられる。時期的にも中国からの入国が制限されているので「予約が取りやすさ」で考えると今がチャンスかも?銀座の有名店で「ザギンでシースー」を楽しもう。
住所 | |
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TEL | 03-3571-6523 |
営業 時間 |
11:30~14:00 17:00~22:00 ※予約なしの昼は混雑時並びになります。 ランチの予約は11:30からのみ。 |
定休日 | 日曜・月曜(祝日の月曜日も含む) |
駐車場 | 無 |