こだわりの焼魚(粕漬)が食べられる店が銀座3丁目にある。東銀座駅からすぐの場所、松屋通りから昭和通りから一本裏に入った路地に店舗を構えている。
1914(大正三)年、初代・清水久蔵氏が京都で料理修行を積み、東京・日本橋蛎殻町で鮮魚商「魚久商店」を開業したのが同店のはじまり。その後、1965(昭和四十)年に、当時では珍しい粕漬専門店「京粕漬魚久」が誕生。
1階は持ち帰り用の粕漬売店。その昔、常連客から「魚久の粕漬を土産に」という声に応えた土産用粕漬が大人気を呼び、現在のスタイルに。魚の種類は豊富。主にぎんだら・さけ・本さわら・めかじき等の切り落とし部位が入った「切り落とし」商品も人気だそうだ。
店舗の右側にある階段を登った2階がイートインスペースのお食事処「あじみせ」。
定食メニューは4種類とシンプル。「銀だら京粕漬定食」、「さけ京粕漬定食」、「さわら酒粕・白味噌定食」。そして、銀だら、さけ、さわらの3種類を盛りつけた「あじみせ定食」がある。
2階の「あじみせ」は、カウンター席とテーブル席があり、テーブル席は相席方式になっている。全22席(カウンター7席、テーブル4席、テーブル10席)。知らない人と顔を向け合って食べるのが苦手な人にはちょっと厳しい環境だ。ゆっくりと落ち着いて食べたい!という人はカウンター席を希望するか、もしくは別のお店をチョイスしたほうが良さそうだ。いろんな魚を食べたかったので3種類盛りの「あじみせ定食」をオーダー。
銀だら、さけ、さわら。3種類の魚が揃った贅沢仕様。
粕床の味にこだわり漬け込んだ粕漬けは思った以上に酒粕の風味が強い!これぞこだわりの味。同店初代の久蔵氏が仕入れる鮮魚は目利きの確かさで料亭などに卸されていたそうだ。また、酒粕は一般に出回っている板粕ではなく熟成された酒粕を使用。
創業時から継承される「漬け床」作りには、元となる酒粕を常に4種類用意。酒の香り、酒粕の粘度、アルコール分などが違う数種類を調合して熟成。漬け床の調合も限られた職人だけに伝えられ、長年の経験と技術により毎日同じ「漬け床」になるように調合している。まさに伝統の味!
店の冠を京粕漬としているのは、同店の初代である清水久蔵氏への深い敬慕と、当時、粕床に用いた酒粕が京都伏見の酒であったことに由来する。
東銀座駅から歩いてすぐ。粕漬が好きな人は是非一度立ち寄ってみてほしい。
住所 | |
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TEL | 050-5596-9338 |
営業 時間 |
平日のランチのみ営業。 [月~金] 11:00~14:00(L.O.) |
定休日 | 年末年始。土曜・日曜・祝日・正月三箇日 |
駐車場 | 無 |