東銀座に独特の個性派カレーが食べられるお店がある。その名は「ニューキャッスル」。キャッスルと名だが、お店は銀座柳通り沿いにそびえたっているわけではなく、雑居ビルの地下にある。
ニューキャッスルは、1946年(昭和21年)初代・柳田嘉兵衛氏の手によって創業した。この時期は戦後すぐの頃で元々はGHQから仕入れたコーヒーを飲ませる店として創業した。
銀座柳通り、有楽町駅近くで営業をしていたが2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で建物の地盤が沈下、お店の継続が難しくなり惜しまれつつ一度は閉店した。しかし当時お店に通っていた常連客(現在の三代目店主の飯塚健一氏)がお店の秘伝のレシピを二代目の宮田ご夫妻から引き継ぎ、2013年6月15日に銀座2丁目に見事に復活させ、新店舗をオープン。
常連客が継ぐというエピソードはラーメン店などでもよく聞く話だが、こういった美しいエピソードはお店のストーリーとなり魅力につながる。
ニューキャッスルは、銀座柳通りを有楽町方面から進んで昭和通りに出る100メートルくらい手前の右側のビル(地下1階)にある。最寄駅は地下鉄有楽町線「銀座一丁目駅」11番出口からが近い。
銀座柳通り沿いに設置された看板の上には、メニューとカレーの食品サンプルが置かれている。
ビルの入口を進むと・・・おお!あったあった!
階段を下り、お店の入口はこんな雰囲気。店内はカウンターとテーブルで18席程度。
辛来飯(カライライス)はすべて同じ味で、ご飯とルーの量でサイズが変わる。そしてサイズには東北線の駅名が付けられている。ちなみに◎つん蒲は「つんのめった蒲田(蒲田より少し先)」という意味だそうだ。
◎川崎(1,100円)大盛り・玉子付き
◎つん蒲(1,000円)普通・玉子付き
◎蒲田(900円)普通よりちょっと少ない・玉子付き
◎大森(800円)小盛り・玉子付き
◎大井(700円)少ない・玉子無し
◎品川(650円)かなり少ない・玉子無し
ちょっとややこしいのが、「大森」。「おおもりで!」と注文すると小盛りサイズが出てきてしまうという...。これもひとつのエンターテイメント要素?!
また、ライスは白米とキヌア(キアヌ・リーヴスの画像が使われている...
笑)雑穀米が選べる。
「つん蒲(普通盛り)」を白米で、ルー増し&チーズトッピングで注文。「ニューキャッスル」の赤文字が昭和のレトロ感を演出。まるでキン肉マンの「カレクック」が頭に乗せているような「THE・カレー皿」といった定番の形状もカレー好きにはたまらない。
半熟の目玉焼きのほか、お皿にの脇に、福神漬け、らっきょうといった必須アイテムがやや控えめに添えられている。
お肉などは使わずに、野菜や果物をベースにしたペーストにスパイスを合わせ、さらに豚骨スープを加え丁寧に仕上げたカレールーにはコクがある。
サラサラのスープカレーではなく、なめらかな家庭寄りのカレーだ。シンプルだが、しっかりと旨味とコクを感じるスパイシーな風味。最初はそこまで辛さを感じないが食べ進めているとじんわりと辛さが押し寄せてくる。一般家庭風のなじみのある風味に仕立てているが、やはりプロの味。どこか懐かしさもあり、お店に通いたくなる味だ。
半熟の目玉焼きを崩し、黄身をカレーにまぶして食べるとまろやかな風味に。
カレーの他に、コーヒーもお店の自慢。東銀座に来たらふらっと立ち寄ってみてはいかが?
店名:ニューキャッスル
電話:03-6264-0885
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目11−1 B1F
営業時間:火〜日:11:30〜16:00
定休日:月曜・祝日